誰もいない部屋で独り


AMラジオに耳を傾けながら


文庫本を広げてみる




掌サイズの宇宙から


ひらりと落ちる言の葉




長い間の空白を


埋めるだけの文字を


散らかった心の中から


紡ぎたい




僕は何もできないけれど


変わってしまったことと


変わらないままのことを




今 もう一度


詩人になりたい






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私はあの人を好きだけど


あの人が私を好きにならないとしたら


仕方ない


私はあの人に何を求めているのか


あの人のどこにひかれているのか


私にもはっきりとはわからない




私は


目にみえない確かにこれと説明できない


何か神秘的で真面目な力を信じているけど




その力が私たちを認めてくれないかぎり


あの人は私を好きにならないだろう









詩集 散リユク夕ベ (角川文庫)/銀色 夏生




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そのままの自分でいること
人に嫌われるということ


イライラする人と言われること
君はオアシスだと言われること


頑張っている人を応援すること
何やってるんだって怒ること


伝えたいけど伝わらないこと
伝わらないさと諦めること


人と人の間にいること
生きていくということ


言葉にできないこと
言葉にしたくないこと


テレビに映る人に憧れること
批判に晒されるということ


自分らしくいること
一つの信念を貫くということ


電話から聞こえる声に懐かしさを感じること
時がいつの間にか経ってしまったこと


どうしたって過去には戻れないこと
過去には戻りたくないこと


声に救われること
独りじゃないって感じること


そして また
時が進んでいくということ

何かが変わった気がして

身を任せて過ごしていた


日々経験値を重ねて

歳も能力もレベルアップして

RPGの勇者みたいに強くなってるって

そう思ってた



誰かの為に優しくして

それを相手も喜んでくれて

それでも時には怒ったりして

ちょっとずつを積み重ねて

それが繋がってくって思ってた


風邪で体調を崩して

思い通りに体が動かなくって

人との繋がりを疎かにして

自分の事ばかり考えてた


体調は少しずつ良くなって

医者の処方した薬を飲んで

体を蝕んでいた毒が抜けて

元通りの体になった



なかなか連絡できなかったななんて

軽い気持ちで連絡をしたら

もう 取り返しがつかなくなっていた


体を重くしていた毒は

薬なんかじゃ治らなかった

それどころか 酷くなってたみたいだ





何かが変わった気がして

身を任せて過ごしていた


日々経験値を重ねて

すこしずつレベルアップして

RPGの勇者みたいな気がしてた


本当はただの人間で

特別な存在ではなくて

鈍感な普通の男だった





マイペースな自分は

久しぶりに孤独を思い出した


夜が更けるにつれて

人並みに心細くなって

少し伸びた髭をもてあそんだ


もうすぐ明日がやってきて

また 日常が繰り返されていく


ほら すぐそこに朝がやってきて

誰でも構わず包み込んでいく






4ヶ月前に書かれたメッセージに

今頃気が付いて

なんだか また繋がりたくなった






僕は それでも 生きていく